こんな私、私じゃない。でも私・・・
「すぐる?」

ここでは言わないって決めてるみたいで何も言ってくれなかった。

「じゃ私からもすぐるに話があるけど、言わない」

少し拗ねて私もパスタを食べ始めた。

「話しって何?」

すぐるは手を止めて、私の顔を見つめる。

「すぐるが言ってくれないなら言わない」

断固拒否を貫いてみせる。

そう思ったけど・・・

「いいよ、言わないなら。美沙が言わないなら俺も言わない」

ズルい。

「すぐるズルい」

私は余計拗ねたみたいにワインを飲み干した。

「おかわり」

そう言ってグラスをすぐるの前に出すとワインを注いでくれた。

「ありがとう」

「機嫌直せよ。必ず後で教えてやるから・・・美沙の話は何?」

優しく微笑まれたら拗ねてたのが馬鹿みたい。

「あのね、話しと言うかお願いなんだけどね」

そうお願い。

すぐるが言わないなら言わないっていうのは本当は可笑しな話。

「なに?」

「私の友達に会ってほしいの」

奈々と瑠美にこの間話したら「会わせて」と言われた。

「いいよ。じゃ俺の友達にも会ってもらおうかな」

「ええっ!?」

なんかそれはちょっと・・・

「何かイヤそうだな・・・」

「そういうわけじゃないけど・・・」

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