こんな私、私じゃない。でも私・・・
すぐるの友達に会うのはなんだろう？

私をどう思われるのかとか今までの彼女と比べられたりするのかとか考えてるのかな。

すぐるみたいに「いいよ」なんて言えない。

「美沙に会いたいって言ってた奴がいるんだよ」

すぐるの友達・・・会うの緊張しそう。

「ムネから連絡あったの？」

と、ちょうどショーリさんが通りかかり会話に入ってきた。

「あった。お前が言ったんだよな？」

ショーリさんを少し睨んでる感じがした。

「この間来たから、ちょっとね・・・タクがヤバいよって言っといた」

「何がヤバいんだよ」

「自分だってわかってるくせに・・・」

そう言ったショーリさんは私に近付いた。

「美沙ちゃんはめちゃくちゃ大切にされてるよ」

と、すぐるにも聞こえるか聞こえないかの囁きだった。

めちゃくちゃ大切にされてるよ。

されてると思う。

「何言ってるんだよ」

すぐるは聞こえなかったのか、険しい顔をしていた。

「タクは美沙ちゃんを大切に思ってるって話」

「あたり前だろう。そうじゃないと一緒に暮ら・・・」

途中で話しをやめて、すぐるは「しまった」という顔をした。

「一緒に暮らすの？」

ショーリさんに言ってないんだ。

「ああ」

「そうなんだ。そういうことは言ってくれないと」

そう言うとショーリさんはその場から離れた。
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