こんな私、私じゃない。でも私・・・
「細野課長がいらっしゃらないなら、近藤主任ですか?明日の会議資料・・・」

髙田課長との話が終わり、すぐるが近藤主任の隣に来ていた。

経理の細野課長は出張中で今週一週間不在にしている。

「こっちでやってる。今、神村さん、どんな感じ?」

近藤主任は私に問いかけた。

「後10分くらいで印刷出来ると思います」

私はパソコンに向けていた顔を近藤主任に向けてその隣にいるすぐるに伝えた。

「じゃ終わるね。早川が見ておきたいらしくて、先にもらうこと出来ますか?」

最初の言葉は私にだよね?

もしかして、私の仕事が終わるか確認に来たのかな?

「細野課長にも確認してもらうから遅くなるかもしれないけど、それで良ければメールする。って伝えて・・・」

「わかりました。大丈夫だと思いますので、お願いします」

すぐるは近藤主任との話の後に私を見た。

『おつかれ』

そう唇が動いた気がする。

それだけで私は嬉しくなって微笑んだ。

すぐるは情報システム課、人事課の人と話すと管理部のフロアーを後にした。

「出来上がりましたので、印刷してチェックします」

近藤主任に伝えて印刷を押す。

「今日は相当大切な用事なんだね」

近藤主任はパソコンの画面を見たままで、すぐるのことを言ったのは直ぐにわかったけど、わからない振りをした。

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