こんな私、私じゃない。でも私・・・
「はい?」

聞き返したものの近藤主任は何も言わずにパソコンの画面を見たままだった。

印刷を取りに行きチェックを始める。

暫くして近藤主任は椅子ごと私に近付いてきた。

何を言い出すんだろう?

「あれはやっぱり神村さんの様子を見にきたんだよね?」

近藤主任はそう思ったんだ。

やっぱりそうなのかな?

あっもしかしてスマホに連絡が来てるのかも・・・後で連絡しようと思って出来てない。

私は引出しに入れていたバッグの中でスマホを見た。

すぐるからのメールが入っている。

そっか、返信しなかったから様子を見に来たのかな?

内容は今は確認しないでおいた。

「連絡来てたのに返信してなかった?」

私の様子を見て近藤主任が話し始めた。

「・・・・・・」

すぐると付き合っていると肯定しているわけではないので、何も言わないでおいた。

「まっいいか。今日は助かったよ。ありがとう。ねぇ、新城は優しい?」

近藤主任はもう何も言わないのかと思ったのに、決定的なことを聞いてきた。

答えるべきか答えないべきか・・・

「・・・・・・優しいです・・・・」

私は俯きながら小さくそう言った。

なぜか答える方を選んだ。

「そう、良かった。答えてくれてありがとう。とてもお似合いだよ」

近藤主任はそう言うと椅子ごと戻って行った。

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