こんな私、私じゃない。でも私・・・
「嬉しそう?違うだろう?髙田課長なんて完全に楽しんでたし・・・」

「髙田課長に何を言ったの?」

私が質問するとすぐるは私の顔を見た。

「『今度紹介しますので、ここでは勘弁してください』って」

今度紹介って有りえない。

えっ!?

私を紹介するの?

「どうやって紹介するの?」

「『俺の彼女です』って、それになんとなくバレてる気がする」

ええっー!?

なんで?

バレる要素がない。

「バレる理由がないと思うけど?」

「なんとなくね」

すぐるは困った顔ではなくて、まっその時はその時って言いたそうな感じ。

「美沙は知られたら困る?」

二人が付き合っていること・・・

早川さん夫婦と今日、近藤主任と木田主任に認めた。

「困らないけど、すぐるが困らない?」

「どうして俺が困る?」

「だって・・・」

特定の彼女の話は今まで出たことなかったし・・・

彼女が私ってすぐるにとってマイナスな感じがする。

「俺は美沙がよくて選んだの。美沙もそう思って俺を選んでくれたんだろう?」

私はすぐるがよくて選んだ。

私は頷いてすぐるの腕に手をまわした。

「こうやって歩きたい」

会社の帰りだし駅に着いているとはいえ、会社の人に会うかもしれない。

でもすぐるが困らないと言ってくれるなら、私は困らない。

少し躊躇いがないわけじゃないけれど・・・

でもすぐに電車が来たので手を離した。
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