こんな私、私じゃない。でも私・・・
「美沙は実家の居心地悪いの?」

仲が悪いって思っちゃったかな?

「悪くないよ。仲もいいし、でもどっちかと言うと一人暮らししたかったから・・・」

ホントに一人暮らしをしたかった。

私の実家も遠くはないけど、社会人になったら一人で暮らすってずっと決めていた。

そう言えばすぐると一人暮らしをし始めたきっかけとかって話したことないな。

沢山話すことがあるなぁ~と思ったりした。

「俺もそうだけどね・・・美沙は一人暮らし反対されなかったの?」

「全くされなかったと言えば嘘になるけど、わりと大丈夫だったよ」

「そうか、ご両親は理解があるんだね。うちの両親は姉貴が『一人暮らししたい』って言った時に反対したんだ。それでそのままきっかけを逃して・・・マンションを買うって言ったけど結局住まないし、こうなったら結婚する時だろうね、実家を出るのは・・・」

「お姉さんはどうして向かいのマンションに住まないの?」

通勤圏外だから「代わりに住んで」ってすぐるが言われたのだと思っていた。

でも職場が南町なら通勤圏内。

「ん?」

「だってマンションはお姉さんのでしょう?」

「ああ~・・・まっ今日の話しのメインだから・・・」

話しのメイン?

住まない理由が他にあるのだろう。

でもすぐるは何も言わなかった。

「そっか、わかった」

すぐるが何も言わない以上どうすることも出来ない。

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