こんな私、私じゃない。でも私・・・
「美沙、向かいのマンションに一緒に住まない?」

電車に乗っている時に言われることではないと思う。

それにさっきまで賑やかだった学生が何人か降りると急に静かになった。

私はすぐるを見上げてため息をついた。

「考えとく」

それだけ言って私は黙ってしまった。

すぐるは一瞬私の素っ気ない返事に驚いていたけど、周りの状況を悟ったようで何も言わなかった。

向かいのマンションに一緒に住む・・・

私はどうしたいだろう?

うーん・・・

お姉さんに会ってから決めよう。

それに自分で買うマンションに住まないお姉さんがよくわからない。

それともう一つ。

すぐるは新築のマンションに私と住むことをどう考えてるんだろう?

結婚を考えていない彼女に対してわざわざ新築のマンションを一緒に住むのに選ぶかな?

結婚はしないけど、『ずっと一緒』ってなると新築のマンションでもありなのかな。

同棲を続けるって大変なことだろうなぁ~

家事の分担や費用面でも色々とあるし・・・

今は費用面はほとんどすぐるが払ってくれている。

私も負担しないと・・・

電車に揺られながらそんなことを考えていた。
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