こんな私、私じゃない。でも私・・・
「ごめん、席外して・・・」

葵さんが言いかけた時にすぐるが戻ってきた。

「お帰り。仕事大丈夫なの?」

私が聞く前に葵さんがすぐるに問いかけた。

「大丈夫。ちょっとした確認だから・・・」

私の隣に座りジョッキに残っていたビールを飲み干した。

「おかわり?」

また、言う前に葵さんがすぐるに聞く。

思わず「さすが」と思ってしまった。

「おかわりで。美沙はまだ大丈夫?」

私の飲み物をすぐるが確認してくれる。

「まだ大丈夫」

ほとんど飲めていない。

葵さんは素早く飲み物とメニューを見ながら「これ食べたい」と注文していた。

「卓、たまには家に帰って来なさいよ」

すぐるがいるからか葵さんは続きを話そうとせずだった。

「わかってるけど、わりとめんどくさい」

「何がめんどくさいよ。たまには親に顔を見せるのが子供として当然でしょう」

確かにそうだよね。

「姉貴は実家にいるから顔を見せてるだろうけど、ずっと実家にいる姉貴のことも心配なんじゃないの?」

「どういう意味よ」

「英明さんとどうするの?結婚するの?」

「今する話じゃないでしょう?」

「そう?プロポーズされたんだろう?」

そうなんだ。

わぁ~なんかいいな。

姉弟の会話は続く。
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