こんな私、私じゃない。でも私・・・
「卓こそ結婚したら?」

あ~葵さんは言ってはいけないことを口にした。

私は顔を上げられずにいた。

すぐるはどう言うんだろう?

聞いてみたかった。

でも怖くて聞けなかった。

「葵さん何言ってるんですかぁ~」

私は顔を上げてほとんど飲んでいなかったビールを一気に飲み干した。

はぁ~よく飲んだ私。

「美沙、どうした?いつもそんな飲み方しないだろう?」

だって怖いの。

結婚しないのはわかってるけど、はっきり言葉にされるのは怖い。

「卓がちゃんと言わないからでしょう?あのマンションの話し美沙ちゃんにちゃんとしなさいよ」

私が一気にビールを飲んで話題を変えたことに気付いたのだろうか?

さっき言いかけたことかな?

「わかってるよ。わかってる」

なんだろう?

すぐるは何も言わなかった。

「食べ終わったら帰っていい?」

テーブルに置かれたお料理に対してだろうか、葵さんはお箸を持って取り皿に取ると食べ始めた。

「英明さんに会いに行くんだろう?ご飯もういいなら無理に食べずに、早く行けよ」

すぐにでも帰りたいって感じかぁ~

すぐるがそう言うと葵さんは取り皿に取ったお料理を食べ飲み物を飲み干した。

「ごめん。美沙ちゃんごめんね。また今度ゆっくり会いましょう。あっすぐるがなかなか言えないだろうから私が教えてあげるね。あのマンションは私じゃなくて卓が買うのよ」

ええっーーー???
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