こんな私、私じゃない。でも私・・・
「新城さん・・・」

沈黙が耐えられず声を掛けた。

「なに?」

「いつからいてくれたんですか?」

二次会は『北町の』って言っただけで何処でかまでは言ってない。それに電話を掛けて車で来てくれたのはすぐだった。どこかで待っていてくれてたに違いない。

新城さんは私を一瞬見て、またすぐに前を向いた。

「さぁ~」

新城さんはそれだけ言うと何も言わなかった。

「教えて下さい」

教えてくれないと私はどうしたらいいのかわからない。

「いつかね」

前にも『いつかね』って言われたことがあった。あっ結婚考えたことがあるか聞いた時だ。

「今日は家でゆっくり休め」

家まで送るって言ったのはそういうことなんだ。てっきり突き放されたのかと思った。

優しい。

新城さんは優しい。

私はどうしようもなく好きになっていく。

一緒にいたいと思ってしまう。

さっき今野君と話したこと。

わからないなら聞いてみたら?聞いてみたらいいんだ。

私をどう思っているのか・・・


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