こんな私、私じゃない。でも私・・・
やっぱり勉強だよね。

3階に上がって社労士の本がある棚を探す。案内板がわかりやすくてすぐに棚はわかった。

この間買った本とは違う出版社の本が沢山あった。ここの本屋の方が大きい。

さすがにいっぱいあるな・・・

社労士の本のことを考えていたのに、半分以上いや9割くらいは考えたくないことが占めてる。

新城さん・・・

もうヤダ・・・

締め付けられる思いがこみ上げてきた。私は何も出来ない。

2週間以上電話にもメールにも反応しなかったのがダメだったのか。

見ているようで見ていない本棚の前で暫く動けなかった。


すると、隣に人が立った。

「良かった・・・ここに居てくれて・・・今回はちゃんと話さないとと思って・・・探した」

その人は新城さんだった。

慌てて私がいそうなここに来たのがよくわかった。

「新城さん、急用行かなくていいんですか?」

私は割と冷静だった。来てくれたことより急用は大丈夫なのかと思ってしまった。

「とりあえず、先に楠木さんが行ってくれたから、俺もすぐに行く」

楠木さん・・・・・・

「良かったのに私のことなんて、楠木さん待ってますよ」

私がそう言うと新城さんはため息をついた。

「はぁーやっぱりそれが原因?あの時、急用って言うだけで何も言わなかったし、電話の後、俺と楠木さんが一緒にいるの見たとか?」

当たってる。

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