こんな私、私じゃない。でも私・・・
「とりあえず、行こうか?」

上りエスカレーターを下りたところにいたので、反対側に歩き出す。

本屋を出ると、新城さんは駅とは違う方向に歩き始めた。

「イタリアンでいい?少し歩くけど・・・」

そう聞かれ、頷いたものの、イタリアン?歩く?

どこに行くんだろう?

10分か15分くらいか歩いたところにイタリアンレストランがあり、そこは知る人ぞ知るって感じで、住宅街に面しているオフィス街からは離れたところにあった。

「いらっしゃいませ。あっ遅いから来ないかと思ってたよ」

と、新城さんが入ると店員さんがそう声を掛けた。

知り合い?

それより予約してくれてたってこと?

「悪い、部長に声掛けられて予定外の残業になった」

「サラリーマンは大変だね」

店員さんはそう言い、続いて入った私。

「へぇ~」

と、それだけ言い、「こちらへどうぞ」と、奥の席を案内してくれた。

「お知り合いですか?」

「大学時代のね」

「そうなんですか」

サラリーマンは大変だねってことは違うのかな?

「ここ、あいつの店」

「そうなんですね。ステキなお店ですね」

私はぐるっと店内を見渡した。

広さはそんなにないけど、キッチン前のカウンター席とテーブル席があるお店だった。

「喜ぶから本人に言ってやって」

新城さんおすすめの料理を頼み、生ビールを2つ頼んだ。

「割と飲めるよね?」

と、新城さんに頼む時に聞かれた。

それだけで少し頭の中で「この人もしかして私のこと好きなのかも」などと考えてしまう。
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