こんな私、私じゃない。でも私・・・
「どうぞ」

コーヒーをテーブルに置いてくれた。

「ありがとうございます」

うわぁ~2杯目のコーヒー嬉しい。

「新城さん」

向かいに座った新城さんに声をかけた。

「ん?」

「新城さん」って声を掛けると「ん?」とか「どうした?」って言ってくれるのが嬉しい。

「新城さんの淹れてくれたコーヒー美味しいから好きです」

そう言うと新城さんは笑顔になった。

「いつでも淹れてあげるよ」

「いつでも?」

「そう、いつでも」

新城さんはコーヒーを一口飲んだ後、私を真っ直ぐに見ていた。

「美沙は俺に聞きたいことがある?」

えっ!?

私は新城さんを見つめてしまった。

そんなふうに聞かれるとは思ってなかった。

「・・・新城さんは他に・・・私以外にこうやって過ごす人がいるんですよね?」

私は何度言われても信じられない。

次の瞬間、新城さんはフッと笑った。

えっ!?

笑った意味が分からない。

「そっか、美沙は俺にも他に誰かいた方がいいんだよね・・・」

と、さっきまでの優しい声ではなくて少し低い声でそう言った。

「えっ!?」

今までの優しい声から低い声に変わったことで私はとてもビクッとしてしまい、何も言えなくなった。

暫く沈黙が続く。

「美沙」

何も言わない私を不思議に思ったのか新城さんが私の名前を呼ぶ。

でも私は俯いてしまい・・・

涙を堪えきれなくなった。

「美沙?」

びっくりしたようで私が泣いているのを見て抱きしめた。

「どうしてほしい?俺にどうしてほしい?」

ぎゅっと抱きしめられる。

また優しい声に変わっていた。


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