こんな私、私じゃない。でも私・・・
新城さんの声が荒く聞こえた。

一緒に寝ている新城さんに抱きついて『りっくん』って呼んでること自体恥ずかしすぎる。

でも私はふわぁ~と笑顔を返した。

「小さい頃に大切にしていたぬいぐるみです」

「えっ!?」

新城さんは一瞬、信じられない顔をした後に、ため息をつき、

「なんだよ。ぬいぐるみって・・・」

と、そう言った。勘違いしていた自分が恥ずかしくなったようだ。

「もしかして、それを気にしてましたか?」

「してたよ。俺は一番じゃないんだって思ってた。好きな人なのか、忘れられない人なのか、不倫でもしてるのかって・・・なんだよ。ぬいぐるみって・・・」

はぁ~と抱きしめていた手を解き、どさっとソファーにもたれかかった。

「大切なぬいぐるみだったんです。でも引越を繰り返している間にどこかにいってしまって・・・」

『りっくん』は犬のぬいぐるみでとても大切にしていたのに、いつの間にかどこかにいってしまった。

まさか寝言で『りっくん』なんて言ってるとは思ってなかったけど・・・

それに『りっくん』の夢を見ていたわけでもないし、完全に無意識に言ってるんだ。

「意外と子供っぽいんだな。そんなに大切だったの?」

「はい」

新城さんは私の頭の上に手を置き、髪を撫でていく。

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