こんな私、私じゃない。でも私・・・
「なんか食べに行こうか?」

朝はいつもコーヒーだけだから大丈夫だけど、もう2時を過ぎてるからさすがにお腹すいた。

「何か作りましょうか?」

私がそう言うと新城さんは一瞬こちらを見て、前を向いた。

「美沙って料理する人?」

「簡単なものなら」

「俺の方が出来そうだな」

あんなに美味しいコーヒー淹れてくれる新城さんは料理も上手そう。

「新城さんは私をどんなふうに思ってるんですか?」

「俺を飽きさせない人」

飽きさせない?

「???」

「夢中にさせるってこと」

そう言われて下を向いてしまった。さらっとそんなことを言うなんて・・・

「どこに食べに行こうか?美沙の手料理は週末の楽しみに取っとく」

『俺の方が・・・』って言ってたのになんかプレッシャー。

でもとりあえず置いておこう。

「はい。なんでもいいですよ。新城さんの食べたいもので」

特に食べたいものが浮かばない。

「なんでもいいの?焼肉とかトンカツとか言ったら困らない?」

「それは困ります」

「じゃ食べたいもの言って」

うーん・・・浮かばない。

「あっショーリさんところ行きましょうか?」

「いいね。昨日キャンセルしてるから行こうか」

と、新城さんは「Sieg Mond」へと車を走らせた。
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