こんな私、私じゃない。でも私・・・
名前呼ぶの恥ずかしいの。

「・・・タク・・・」

やっぱり名前は呼べない。

「じゃ今日は『タク』でいい。今日だけだからね」

そう言うと首にまわした手を解いた。

今度は愛撫へと変わっていく・・・

腕の手と指も触れてほしい方へと移動してくる。

胸へと下りてきた手と指は一番弱いところを避けて動いていく。

「美沙」

優しい声で名前を呼ばれた。

唇と舌も下りてきて、胸への愛撫が始まる。

一番弱いところを触れていく。

「・・・ああっん・・・」

焦らされていた私のカラダはそれだけでもっと熱を帯びていく。

手と指は胸からカラダのラインに沿っていき、太ももに触れていく。

太ももに触れたかと思ったら、私の指とタクの指とを絡めて軽く体を上げると手の甲にキスをした。

愛されてる・・・

そう思わずに言われなくて、泣きそうになった。

「どうした?」

私の泣きそうな顔に気付いたのかタクがそう声を掛けられた。

「・・・好き・・・」

恥ずかしいけど、伝えたくてタクを見つめてそう言葉にした。

タクはフッと笑った。

「・・・きっと俺の方が好きだよ・・・」

きゅんとした。

もう見つめることが出来なくて、首に手をまわしぎゅうとした。

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