こんな私、私じゃない。でも私・・・
「そう?俺ね、思い出したり絶対しないタイプ」

「そうなんですか?」 

「別れるってこと事態が大変だから、大変な思いしたらそのまま別れる」

「新城さんって自分から必ず別れを切り出すでしょう?」

「なんで?」

「別れるって決めたら揺るがなさそう」

「そうだね」

なんとなくわかる。

「でも今日くらいは食事の相手が欲しかった。違います?」

新城さんはワインを飲みながら目線だけ私を見ていた。

「そう思うならそう思っといて。でも俺は・・・・・・」

グラスを置くと、ポケットからスマホを取り出した。

着信があったようで「ちょっとごめん」と、席を外した。

新城さんが席を外すと、さっきの店員さんが新城さんが座っていた席に座った。

「食事はどうかな?」

そう言いながら、新城さんのグラスのワインを飲んだ。

「とても美味しいです。こちらのお店ステキですね」

さっき、『本人に言ってやって』って言われたので伝えた。

「ありがとう。また来てほしいけど、来るときはタクと来てね」

タク?

「あっタクは新城のことね。卓はタクって読むでしょう?俺はちなみに勝利だけど、ショーリね」

なるほど、新城さんってタクって呼ばれてるんだ。

「えっあっでも、どうして、新城さんとって」

「ここ、あいつのオアシスだから、会社の人に知られたくないんだ」

そうなんだ。でも会社から10分.15分の距離にこんなステキなお店があったらみんなに紹介したい。

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