愛して。Ⅲ
倉庫に着いて幹部部屋に入ると、大河が抱いていたその子をソファへ寝かせる。
「とりあえずこの服脱がさねえと、温まるもんも温まんねぇぞ」
大河が言う。
その子の服は雪が溶けたことで水分を含んでしまっている。
「そうだよね……。え、誰が脱がす?」
あたしがそう言うと、3人の目線がこちらに向く。
その子はどこからどう見ても小学生。中学年くらいに見える。
髪の長さは肩より短く、男の子にしては長く女の子にしては短い微妙な長さ。
服装は冬らしからぬジーンズ地のパンツに黒いトレーナーのみ。
「男?女?」
あたしがそう言うと、大河が口を開いた。
「真梨、お前が脱がせろ」
「え、なんで」
「男が脱がせて女だった時と女が脱がせて男だった時なら、絶対ぇ女が脱がせて男だった時の方がいいだろ」
大河がよくわからない理論を展開する。
「ちょっとよくわかんないそれ……」