ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
そのとき、陸斗くんの背中越しにバスがやってくるのが見えた。
「あたしも一緒にバス乗っちゃおっかな~」
「は?」
「ふふっ。冗談だよぉ。今日お金80円しか持ってないし」
「80円て……ジュースも買えねぇじゃん」
やっと普通に話してくれた。
「じゃあさ、ジュースおごってくれる?」
あたしは期待を込め、大きく目を見開いてパチパチとさせながら聞いたけど、
「やだ」
陸斗くんはいつもの無表情で、即答だった。
頬をプクッと膨らませたあたしは、冗談交じりに「ケチ~」とつぶやく。
バスが目の前に停車し、バスのドアがゆっくりと開いた。
陸斗くんはくるっと向きを変え、あたしのほうには見向きもせず、バスに乗り込む。
「また明日ねっ」
そう大きな声で陸斗くんの背中に投げかけたけど、反応はなかった。
あたしがバスに乗らないとわかった運転手さんは、バスのドアを閉めると、すぐに発車させた。
バスが走り去っていくのを、あたしはそこに立ちつくしたまま見つめていた。
“また明日ねっ”
心の中で、もう一度つぶやく。