青い春の真ん中で
「そうなの?」

恋愛なんか慣れっこなのかと思っていたよ。


「光星も歩成ちゃんに会うのすごく楽しみにしてたんだよ」

会ってがっかりされてたらどうしよう。

不安になる。


「光星がね、晴翔にぴったりの子だって言ってたよ。きれいな子だって」


き、きれい?

本当に私の話なの?それ...


「兄に認められたってことじゃん、やったね」


沙由奈が肩を寄せてきた。


コンコンッ


ドアをノックする音でガールズトークは中断。


「はい」

美織ちゃんがドアを開けると、


「美織...男臭くて眠れない」


弱音を吐くのは光星さん。


「は?」

困惑する美織ちゃんの肩を抱くと、


「ということで、美織借りまーす」

光星さん、美織ちゃんをさらって外へ。


「なぜか、照れるわ...」


残されて赤面する私たち。


そんな中、晴翔もドアからひょっこり顔を出して、


「歩成」

と呼んだ。


< 160 / 163 >

この作品をシェア

pagetop