赤いりんごの青い果実
「あー…笑ってる」
『え?う、うん』
「俺その顔好きだよ」
へにゃ、と
マスクをしていても分かる、
彼の笑顔
『あ、ありがと』
「前髪…まとめればいいのに
あぁ、ほら。やっぱり。
綺麗な顔してる」
無造作に分けた長い前髪を
朽木君が持ち上げてこちらを見る
『そ、そんなこと…ない、よ』
顔を褒められたことなんて
初めての経験で、
どうしたらいいのか分からず
少し照れてしまう
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