赤いりんごの青い果実



『そう…なの、かな』


「龍雅は一体何してんのかしら。意外と草食系なのねぇ…。でもま、龍雅に何か思い始めたらいつでも言ってよ!応援するんだから!」



キラキラとした表情でガッツポーズ。
え、それだとなんていうか、私が朽木君を好きになる前提なんだけど。でもこんな可愛い笑顔で言われると、断りにくいな…


『そ…そうする、ね』


「あ、あとそうだ!龍雅とばっか遊んでないで、たまには私とも遊びに行きなさいよね。ちょっとは誘われるかなーとか思って待ってた私がバカみたいじゃん」


口を尖らせ、なんだか少し恥ずかしそうに話す彼女。
そっか。今まできっと、自分が言わなくても皆に引っ張りだこにされながら遊びに誘われてたんだろうなぁ。


仁摩さんには、人を惹きつける魅力がすごくあると思う。


『う、うん!おお女の子と遊びに行く…の、あこ、憧れてた…!』


またまた感動…!まさか、友達の女の子と一緒に遊びに行けるだなんて…

憧れの、ショッピングとかプリクラとか…

できちゃったりするかもしれないし…!



「…なんだ。涼宮も遊びたいと思ってたんだ。そうね、今度の休みに行きましょ」


『わ、わかった』





毎月、埋められていく予定に

私はどうしようもない幸せを感じた

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