赤いりんごの青い果実
ー放課後ー
「…涼宮?」
『あ…く、朽木君』
本を読みながらの放課後
一人佇んでいるところに、朽木君が教室に戻ってきた
「わり、本に夢中になってたとこ?」
『う、ううん。そそんなことない、よ』
ガタリ、私の隣の席の椅子に腰かける
朽木君は、なんで残ってたんだろ
「さっきやっと日誌書き終わってさー
朝は早く来なきゃなんねーし帰りは遅くなるし、日直って本当やだ」
『そ、そっか。日直…だった、ね。おつ、お疲れさま』
「さんきゅー」
そのまま机に顔をうずめる様子を見るに、結構嫌だったんだなぁ…日直。でも、サボる人もいる中でちゃんと仕事をするのはさすがだと思う。
「…涼宮、もう帰る感じ?」
机に寝そべりながら、顔だけこちらに向けて喋る
『う、うん』
「そーか。じゃ、一緒に…」
朽木君が次の言葉を発そうとした時、
教室のドアが開く音がした