赤いりんごの青い果実
「ざーんねーん!涼宮は私と一緒に帰るのよ」
『に…仁摩さん』
にやにやと勝ち誇った笑みを浮かべる彼女は、まるで鬼の首でも取ったかのよう。
「は?仁摩?」
『そ…そう。一緒に帰るや、約束してて
さっき本よ読みながら仁摩さん…待ってた、の』
「…仲良かったっけ」
「そりゃもう親友よ。ね!涼宮!」
ししし親友!なんてすばらしい響き!
仁摩さんがそう思ってくれるなら嬉しすぎる
『う……うん』
ちょっと照れるけれど。
「おお、よかったじゃん。残念だけど今日は仁摩に譲ってやるよ」
「何よその言い方」
「当たり前だろー、俺の方が涼宮との友達歴長いんだから
そんなら俺はもう帰るな。じゃーな涼宮、仁摩」
『うん…ば、ばいばい』
彼はそのまま鞄を持ち、教室を出て行った