カタブツ上司に迫られまして。
「……さ、さんねんまえ?」

ポカンとすると、ニヤリと笑われる。

「伊達じゃないだろう? 気づくやつは気づいていたが」

そのまま上にのし掛かられて、慌てて課長の胸に手を置いた。

「まっ……待って!」

し、知らない知らない知らない。

全く気づかなかったし、周りの誰も……噂好きな中村さんですら、そんな事は言わなかったわよ?

あ。でも、中村さんて去年配属されたばかりかも? いや、焦ってどうしようもない事を考えてるし。

「私、今は汗かいて、起きたばかりだし!」

「そんなもん、シャワー浴びたところで、どうせまた汗かくだろ」

「そうじゃなくて、ま……っ」

真剣なじっと見下ろされて、口を閉ざした。

「駄目か?」

駄目じゃない……けど、心の準備と言うものがあるの。

男の人はどうだか知らないけど、女にはそう言うのが必要だと……。

「心の準備とか言われてもな……前の時はお前から誘ってきただろう? 怖じけずいたか?」

「や。だってアレは、キスが……」

心地よかったなんて言えない!

って言うか、勝手に漏れた独り言に返事しないでー!

だけど課長はまたニヤリと笑って、唇を塞いでくる。

「ん……」

……課長って、絶対にキスが上手いんだと思う。気がつけば自然と課長を抱き締めかえしていた。

それから力が抜けて、ぼんやりと目を開く。

目が合って、ふっと笑われたかと思ったら、耳たぶを甘噛みされた。

「ひゃ……」

びくりと身体が跳ねて、また目が合う。

「ふぅん?」

嬉しそうに、口角を上げる課長を見ながら心臓のバクバクが……。

「あ……あの」

「俺が火傷しそうだな」

「え……」

するりと太ももを撫でられて口を閉ざす。

私だって……火傷しそう。

身体中が熱くて、課長が指先が辿って行くと、尚更熱くて……火がつきそう。

Tシャツを脱がされ、鎖骨のキスを落としたかと思うと唇が胸へ……。

同時に身体の中心に触れられて、思わず声をあげた。

強引だけど優しくて、でもとても激しくて……。

「た……祐さ……っ」

ひとつになった瞬間に、男らしい色香を放つ表情が見えた。

吹き飛ばされないように抱き締めて、抱き返されて嬉しくなった。










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