年下*デイズ【短篇】
「晴輝、今日、自転車?」
「おぅ」
「後ろ乗っけてよ」
その言葉に千秋くんがぴくり、と反応する。
「千秋はどーすんだよ」
「え?晴輝が降りるんだよ」
「これ、俺のなんだけど」
千秋くんが自転車の前に乗り、あたしは千秋くんの肩に手をかける。
「重かったらごめんね…」
「軽いから」
千秋くんがさらっと言う。
「晴輝聞いた!?やっぱ千秋くんは違うね〜」
「千秋、無理しなくていいんだからな?」
「無理って何よ!」
あたしが叫んだのと同時に、千秋くんが自転車のスピードを速めた。
「ぎゃー!!
早い!早い!早い!!早い!!」
「…ほんとムカつく」
「え!何っ!?」
風でよく聞こえないっ!
「何でもない」
……なんだろ。