ラブエンゲージと甘い嘘
しかしそれは女性になると幾分緩やかになるようで、こうやって時々チケットを手にした私たちのような子も紛れ込むことができる……らしい。

すべて柚葉情報なので真偽のほどはわからない。

けれどその親会社である【サウザンドブライダル株式会社】は国内で最大手の結婚関連の事業を手掛ける会社だ。

式場やホテルをはじめ、レストランやカフェ。それに海外でもたくさんの事業を展開している。日本でも有数の優良上場企業だ。

そこから考えても柚葉の与えてくれたグレースの情報が間違っているとは思えなかった。

「ほら、行こう。いい男ゲットー!」

柚葉に引きずられるようにして、あとに続く。

白亜の洋館を彷彿させる、緑に囲まれた建物は最近できたばかりの結婚式場だった。もちろんサウザンドブライダルが運営している。

まだ一組も挙式していないその場所で、今回お見合いパーティが開かれるのだ。受付を済ませて、準備してあったネームプレートを胸につけて会場へと一歩入る。真っ白い会場にたくさんのオレンジをベースにした花々が行けられていて、まるで披露宴会場さながらだ。

「うわ〜すごいね。普通のお見合いパーティだったらこんなに会場を飾りたてたりしないよ! さすがグレースだわ」

「そう言うものなの?」

「そう言うものなのっ! それに今日は会場のお披露目も兼ねてるから、マスコミまで来てるね。テレビに映ったらどうしよう。もっとおしゃれして来ればよかったかな?」

前髪を直しながら興奮した様子で言う。
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