ラブエンゲージと甘い嘘
「ここで倒れたら大変ですから、どこかで休みましょう。さぁ!」

も、もしかしてどこかに連れて行かれるの、私!?冗談じゃない!

私はさっきよりも強い力で、相手の腕の中でもがいた。しかしより強く抱きしめられて逆効果だ。

「そんなに、遠慮しないでいいんですよ。ほら、あっちで介抱して差し上げますから行きましょう」

言っていることは優しいが、私に「さからうな」という視線を向けてきた。

すると先ほど司会をしていた女性の係りの人が、血相を変えて近づいてきた。

助かった……!これでこの人の素性を話せば、解決だ。

そう思った私の耳に衝撃の言葉が届く。

「私が代わりに参ります。千賀社長」

「ひゃ、ひゃひょう!?」

しゃ、社長!?間違いなくそう言った。それまで抵抗していたのに、驚きで力が抜ける。

「いや、君はこのパーティの責任者だろう? この場を離れるのはよくない。きちんと成功させて一組でも多くのカップルが幸せになれるように、頑張りなさい」

「はい」
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