ラブエンゲージと甘い嘘
今回のことだって、私が先にタクシーに乗ろうとしたのだから、放っておけばいいのだけれど結局はこうなってしまっている。
これまでそれで大きな失敗をしてしまったのだけど……それでもこの性格は治りそうになかった。
少し辛い過去を思い出してしまい、気持ちが沈む。
バッグに手を伸ばしていつも持ち歩いている、一枚のハンカチを手に取った。それは私の気持ちを落ち着かせることができるいわば“お守り”のようなものだった。
「……騙されそうですか? やっぱりそう見えますか?」
急に真剣に問いかけた私に、相手は驚いたようだった。
「悪い。気に障ったんなら謝る」
「急に素直に謝るんですね」
態度の急変に驚いてしまう。
「別に俺だって謝るときはちゃんと謝るさ。それに騙されやすそうって言ったけど、それは見かけだけ。話てみるとそんなことない。だけど……」
男は一瞬、考えて言葉を続けた。
「騙されるときはみんな騙されるんだ。だからこそ、俺みたいに女を食いモンにして生きている悪い男が世の中にいるってわけだ」
それはどこか私に話をしているというよりも、なんだか自嘲しているように聞こえた。
「女を喰いモンって……?」
ふと私の手元に目をやた男が、私の質問を男が遮る。
これまでそれで大きな失敗をしてしまったのだけど……それでもこの性格は治りそうになかった。
少し辛い過去を思い出してしまい、気持ちが沈む。
バッグに手を伸ばしていつも持ち歩いている、一枚のハンカチを手に取った。それは私の気持ちを落ち着かせることができるいわば“お守り”のようなものだった。
「……騙されそうですか? やっぱりそう見えますか?」
急に真剣に問いかけた私に、相手は驚いたようだった。
「悪い。気に障ったんなら謝る」
「急に素直に謝るんですね」
態度の急変に驚いてしまう。
「別に俺だって謝るときはちゃんと謝るさ。それに騙されやすそうって言ったけど、それは見かけだけ。話てみるとそんなことない。だけど……」
男は一瞬、考えて言葉を続けた。
「騙されるときはみんな騙されるんだ。だからこそ、俺みたいに女を食いモンにして生きている悪い男が世の中にいるってわけだ」
それはどこか私に話をしているというよりも、なんだか自嘲しているように聞こえた。
「女を喰いモンって……?」
ふと私の手元に目をやた男が、私の質問を男が遮る。