俺様紳士の恋愛レッスン
「あのっ! 私も手伝います!」



見兼ねた私は、二人が並ぶキッチンへと向かった。



「そんな、お客様に手伝わせることなんてできません!」

「でも私だけ待ってるの嫌なんで!」

「つーかエン、包丁握れんのかよ」

「バカにしないでよね! 私だって料理くらいしますぅー!」

「はっ、嘘くせー」

「ちょっと十夜、失礼すぎない!?」

「思ったことを言ったまでだ」

「むっかー!」



先程のことを根に持っているのか、いつもの3割増しで不躾(ぶしつけ)な態度を向けてくる十夜。

優愛さんとの対応の差に、シンプルに腹が立つ。



「どーせさっきもコンビニで弁当買おうとしてたんだろ?」

「んなッ……!?」

「はい図星」

「きょ、今日はたまたまだもん! そうだ、優愛さんは信じてくれますよね――」




視界から彼女が消えたのが先か、ゴトンと鈍い音が響いたのが先か。

口争いに夢中になっていた私たちは、優愛さんの一瞬の変化に気付けなかった。

< 109 / 467 >

この作品をシェア

pagetop