俺様紳士の恋愛レッスン
「えっと、タクシータクシー……」



検索をしようとスマホ画面に指を滑らせるけれど、思うように文字が打てない。

そこで、自分の指が震えていることに気が付いた。



「……はは。私、意外と冷静じゃん」



それは恐らく、私よりも取り乱している人がいたからだ。

これも、人間の本能なのだろうか。


耳にスマホを当てると、バクバクと鳴る心臓が反響する。

はー、と深く息を吐き出し、目を瞑ると、必死に彼女の名を呼ぶ彼が脳裏に浮かび、ぶんぶんと頭を振った。



「あ、もしもし。迎車をお願いしたいんですけど――」



今は余計なことは考えず、早く優愛さんを病院に連れていかなければ。




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