俺様紳士の恋愛レッスン
「送ってく」

「……ありがと」



十夜に続いてタクシーに乗り込み、運転手に住所を伝えると、タクシーはゆっくりと動き出す。



暫くの間、私たちはぼんやりと窓の外を眺めていた。

先程まで真白の空間に居たからか、流れていく街灯のオレンジ色が酷く温かい光に感じる。

時折すれ違う車の風を切る音は、やけに虚しい。



「エン」

「ん?」

「悪い」

「なにが?」



俯く十夜は、相変わらずの無感情で「色々と」と呟くと、再び窓の外へと視線を逸らす。

これ以上、それについては語りたくないという意志の表れなのだろう。



けれどもう、聞かずにはいられなかった。

私の中では確信している、十夜の想い。



「ずっと、想い続けてるの? 優愛さんのこと」

「あぁ」

「……そっ、か」

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