俺様紳士の恋愛レッスン
分かってはいたけれど、潔すぎる返答に、心臓がズクンと鳴る。

全身を巡る動揺が、ショックなのか戸惑いなのかは分からない。



「ツラくはないの?」

「別に、慣れてる」

「慣れって……」



やはり感情の拾えない声色に、徐々に焦れったさが込み上げる。



「でも、無理じゃん。叶わないじゃん。だって相手は結婚してるんだよ?」

「あぁ、無理だな」

「じゃあどうして……!」



つい高ぶってしまった感情を抑えようと、きゅっと強く唇を噛んだ。


十夜は徐に向き直り、薄暗さの中交わる視線。

彼の背後を抜けるオレンジ色を幾度か見過ごすと、やがて言葉が紡がれた。



「叶わない恋をして何が悪い」

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