俺様紳士の恋愛レッスン
「エン、お前は好きな奴と一緒になれて、胸を張って幸せだって言えんのか?」

「……え、なん……」



彼が何を言っているのか、全く以て理解出来なかった。

好きな奴と、一緒になれて……?



「当ててやろうか」



十夜は窓側に傾けていた身体を捻り、私の隣に手を付いた。

ぐっと顔を寄せ、親密空間の更に親密な距離で、言葉を落とす。



「エン、お前彼氏いるだろ」

「ッ!?」

「少なくとも3年以上は付き合っていて、同棲をしている。しかし相手側の何らかの都合により、結婚の話は一向にない。
マンネリにうんざりしているが、新しい男を作ることもできず、漠然とした不安を抱えながら日常を送っている」



十夜が言葉を並べる度、鼓動は不快な音を上げる。

握り締めた拳には、汗がじわりと滲んだ。



「無駄なことしてんのは、俺とエン、どっちだろうな」

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