俺様紳士の恋愛レッスン
その後、施設内の飲食店で食事をし、何事もなく解散した。


帰り際、少しでも別れの時間を引き伸ばしたくて、バイクに跨る十夜に「後ろ乗せてよ」と冗談っぽく、密かに本気で言ってみた。

結果、「女は乗せねー主義だ」とバッサリ切られ、十夜は颯爽と去っていった。



「とか言って、優愛さんは乗せてんでしょ」



卑屈にもなる。

私にとっては極上のデートだった今日も、十夜にとっては、ただのコンサルティングの一環に過ぎないのだから。


はぁーと盛大なため息をつきながら、玄関の鍵を開ける。

十夜の課題をおさらいして、シミュレーションして、ビール飲んで、寝よう。

そんな脳内計画を立てながら扉を開けると、あるはずのない部屋の明かりが私を出迎えた。


一瞬にして現実に引き戻された私は、ドアノブを握り締めたまま固まる。



「エンちゃん、おかえり」

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