俺様紳士の恋愛レッスン
久しぶりに会う、愛嬌のある笑顔。

日常の光景である筈のそれに、心臓はドクンと嫌な音を立てる。



「っと、タカちゃん、帰ってきてたんだ」

「うん、やっぱりエンちゃんのことが心配で」

「はは、大丈夫だってば……」



必死に平常心を保とうと、笑ってみせる。



「どこか出かけてたの?」

「あ、うん、会社の人とスポーツしに」

「そうなんだ。珍しいね」



……あれ。

タカちゃんて、こんな風に笑う人だっけ。こんな言い方する人だっけ。

動揺から疑心暗鬼になっているだけかもしれないけれど、怖くてその顔を直視することが出来ない。



「うん、私汗かいてるから、シャワー浴びてくる!」



そう言って、そそくさとシャワールームへ逃げ込んだ。

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