俺様紳士の恋愛レッスン
「エンちゃん」

「ぎゃっ!」



唐突に扉が開かれ、思わず奇声を上げた私に、タカちゃんは目を丸くする。



「えっと、じゃあ僕はアトリエに戻るね」

「あ、はい! 気をつけてね」

「……エンちゃん」



引きつる私の顔をじっと見つめたタカちゃんは、一歩前へと踏み出す。

そして何も言わずに、私の身体をふわりと包み込んだ。



「タカちゃん……!?」



呼び掛けには反応せず、硬直する身体を静かに抱き締め続けるタカちゃん。

押し当てられた服からは、微かな絵の具の香りを感じる。



「……よし。充電完了」



やがて私の身体を優しく引き離すと、「じゃあね、エンちゃん」と余韻を残すことなく寝室を出ていった。

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