俺様紳士の恋愛レッスン
「エンちゃん、そんな顔しないで。もちろん今回も声が掛かると信じて頑張るよ!
ただ本当に最後になるかもしれないから、今回の展覧会は絶対に観に来てほしいって意味だからね?」



タカちゃんは眉尻を下げた笑顔で、私の顔を覗き込んだ。



「それにね、僕が本当に言いたかったことは……」



タカちゃんは私と距離を置き、姿勢を正す。

改まって向けられた表情は、ドキリとするほど真剣で、その先を想像した心臓は、徐々に大きく波打っていく。



「もし展覧会がダメだったら、ちゃんと仕事して、これからは僕がエンちゃんを支えていけるように頑張るよ」



激しい鼓動は、必死に私の耳を塞ぐ。



「だから、いつか僕と」



それでもすり抜けて聞こえる声は、限りなく真摯で。



「結婚してください」



思い描いていた想像は、無慈悲な現実へと、変わった。

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