俺様紳士の恋愛レッスン
「そういえば十夜、確かこの前は篠宮さんのことあだ名で呼んでたよな? 何だっけ?」



遠山さんは視線だけを斜めに向けて、笑う。

それを受けた十夜は箸をピタリと止め、同じく視線だけを遠山さんに向けた……否、睨んだ。



「自力で思い出せ」

「ケチだなー。それとも何だ、言えない理由が何か」

「黙れ」

「おい十夜、レディの前でそんな言葉使うんじゃねぇよ」

「……」

「十夜、お前本当に木崎に弱いのな」

「っせーな。てめーは黙って飯食ってろ」

「おい十夜」

「……」



木崎さんの言葉に、またも口を噤む十夜。

初めて見る十夜の姿に、思わず「ぷ」と吹いてしまった。



「あ? お前なに笑って」

「おい十夜、大事なクライアント様に向かってお前とは何だ。あ?」



そう言われ、再びグッと口を噤んだ十夜に耐え切れず、今度は「あははっ」と盛大に笑ってしまった。

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