俺様紳士の恋愛レッスン
「わぁ、さすが最上階……!」



目下に広がるのは、住み慣れた街の見慣れぬ夜景。

こうして上から眺めて観るのは初めてで、駅はどっちだとか、家はあれかなだとか、ネオンの道を辿ってしまう。



「もうすっかり夏だな」



そう言って私の隣に寄りかかった遠山さんの、艶な黒髪が優しく揺れる。

その横顔は端正で美しく、やはり十夜のお兄さんだな、と再認識すると同時に、小さな違和感が生まれた。



「そういえば、遠山さんと十夜ってあんまり似てないですよね」

「そうだね。俺たちは異母兄弟だから」

「えっ!?」

「十夜から聞いてない?」

「はい。というか私はただのクライアントで、十夜とは別に何もないんです……」



私は手すりの上で腕を組み、そこへズルズルと顔をうずめた。

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