俺様紳士の恋愛レッスン
「不倫はよくないんですよねー? ならどうして二人きりなんですかねー篠宮サン?」

「へっ!? ちがむぐぅッ!?」



十夜は反論に耳を貸す素振りも見せず、私の頬をぎゅむっと挟んだ。



「なぁ、何を聞いた?」



ぐっと顔を寄せられて、途端に心臓が喚き出す。



「ひゃっ、ひゃひほっ」

「十夜、離せ」



遠山さんが呆れ顔で十夜を小突くものの、指の力は緩まない。



「いいから答えろ」

「ふぁ、ふぁはひへっ」

「あ? 何言ってるかわかんね」

「十夜」



頬に当てられた指がピクリと震えた。

声の主を想像したらしい十夜は、徐にぎこちなく振り返る。



「お前、減給」



爽やかな笑顔の額には、不似合いな青筋が立っていた。




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