俺様紳士の恋愛レッスン
「だからお前に『無駄だ』っつわれた時はすげー頭にきて」

「……うん」

「けどすぐに気付いた。こいつも俺と同じ、宝箱を捨てらんねー奴なんだなって」



空になった缶を手の中で弄んだ十夜は、やがて一路に私を見つめる。



「俺はお前に透視してたんだ。自分を」

「自分を、透視……?」



透視とはつまり、十夜は私を通して自分を見ていたということだろうか。



「どうして?」

「なんつーか、人のことなら客観的になれるだろ。そしたら自ずと答えも出る」

「……?」

「だーもーお前は。つまりだな……」



十夜は項垂れ、はー、とため息をつきながら手で顔を覆った。

躊躇うような間の後、少し乱れた前髪の隙間から、きつく細めた瞳を覗かせる。



「俺は自分自身もコンサルティングしてたんだよ」

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