俺様紳士の恋愛レッスン
今日、初めて見る十夜の感情。

睨みつけるような視線と、ほんのりと染まった頬がその色を語っている。



「つーか察しろよな」



だせーだろ、と続くであろう言葉に、思わず頬が緩んでしまう。



「十夜も変わりたかったの?」

「いや、全く。変わる必要なんかねーと思ってた」

「じゃあどうして?」

「お前が俺に『得することなんか1つもない』っつたからだ。俺は常に自分への利回りを第一に考えて行動してんのに、得がないだなんて聞き捨てならねーからな」

「てことは、十夜は優愛さんを想い続けることに得があるって証明したかった、みたいな感じ?」

「まぁそうだな」

「で、結果は?」



十夜は私を一瞥する。

照れているのか拗ねているのか、微かに歪む口元は感情を殺していない証拠だ。



「損はない。けど、得もなかった」



事実をありのままに紡ぐ、抑揚のない声。

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