俺様紳士の恋愛レッスン
「アイツを想うことが俺にとっての唯一の幸せだ。けどその関係は全く発展しない。だからと言って悲しくもない。……プラマイゼロだろ?」



十夜の言葉は不思議だ。

感情を一切乗せていないのに、嫌でも納得させられてしまう。



「感情を殺してからは傷付くこともなくなった。なら一生このままでいいと思った。けど、お前が全部狂わせた」

「私が?」

「あぁ。感情むき出しで考えなしで、バカみたいに素直なお前を見てたら――」



意味深な間を持って向けられた視線。

暗がりに浮かぶ瞳は曖昧に揺れて、空気の温度を上げる。



「羨ましくなった。……少しだけな」

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