俺様紳士の恋愛レッスン
「その顔だってニセモノなんでしょ? そうすれば私が黙ると思って」

「こっちを見ろ」

「好きになるなって言ったり今だけ好きになれって言ったりさ、そんなことできるわけないじゃん! 私は十夜みたいに器用じゃないの!」

「いいから顔上げろ」



掴まれた手首が熱を上げていく。

もう一言でも発すれば目尻に溜まった想いが溢れてしまいそうで、堪らず身体を反転させた。



「十夜のバカッ、大嫌いッ! 離して!」



十夜の手を振り払おうとした瞬間、背後から伸びてきた手のひらが私の目元を覆い、そのまま引き寄せられる。

視界を奪われよろけた私の背中に、強く当てられた体温。



「嫌いになれなんて言った覚えねーぞ」



真っ暗な視界の中、耳元で囁かれたのは不機嫌な低い声。

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