俺様紳士の恋愛レッスン
「ったく。どこで間違えたんだ?」



囁かれた独り言に、背筋がゾクリと震える。

視覚が遮られている分、聴覚、嗅覚、そして触覚が研ぎ澄まされて、全身から十夜の存在を感じる。



「やだッ、離して!」

「言うこと聞かねーからだろ。そのまま聞け」



背中に伝わる確かな熱と、微かな振動。



「俺は女で遊ばない。女ほど面倒でリスクの高いギャンブルはないからだ」

「嘘だ! だって十夜はいつだって余裕な顔で、私ばっかり必死で……!」

「余裕?」



語尾を上げた不機嫌な声色に、拘束された肩がピクリと跳ねた。

目を覆う手のひらが少しずつ熱を持って汗ばんでいくから、緊張しているのは誰なのか、うっかり錯覚してしまいそうになる。



「そう見えてんなら願ったり叶ったりだっつーの」

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