俺様紳士の恋愛レッスン
珍しく目を見開いた十夜は、2つほどの呼吸を置いて、きゅっと目を細める。



「意味わかんねーよ」



やがて紡がれた不機嫌な声色が、私の想いを跳ね返した。



「お前は情を選んだんだろ? なのに次から次へと、勝手なことばっか言うんじゃねーよ」



その眉間には、くっきりと深いしわが寄る。



「だ、だって、今言わなきゃって思ったんだもん!」

「なんでいつも突発的なんだよ。お前の前世はイノシシか?」

「はぁ!? ひどい! 勇気出して言ったのに!」

「なんでその勇気は出んのに情捨てる勇気は出ねーんだよ!」



どうして一世一代の告白の後だというのに、言い争いをしているのだろう。



「分かんないよ! 分かんないけど、十夜のことが好きだってことだけは分かってんの!」



啖呵を切った後、急に黙った十夜によって訪れた沈黙。

射るような視線に急に恥ずかしさを覚えて、みるみるうちに頬が紅潮していく。

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