俺様紳士の恋愛レッスン
「なッ……なんで急に黙るの!」

「本当、ムカつく」

「え?」

「何言ったって、結局お前は情に戻るんだろ?」



冷淡な視線は、ズキリと胸に刺さる。

「そんなことない」と言い返せないのは、自分が招いたこの状況の所為だ。



「俺はギャンブルが嫌いなんだよ」



こんな時でも十夜は感情を殺す。

ただ、彼が私を切り離そうとしていることだけは、確かに感じた。



「や、だ……」

「言ったろ。契約は終了だ」

「そんなッ……私は、私は十夜のことが」

「本当に減らねー口だな」



それは、ほんの一瞬の出来事。

目を瞑る間もなく重ねられた唇は、時を待たずに離される。



「俺がお前に掛けた時間、労力。その分の報酬、全部ここで貰ってやる」



再び押し付けられた熱に、私は呼吸を奪われた。

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