俺様紳士の恋愛レッスン
「これ、私のスマホに送ってもいい?」

「いいけど?」

「家でじっくり考えるわ。謎解きみたいでちょっと面白いし」



萌の口角がニヤリと上がる。

純粋に楽しんでもいるのだろうけれど、これも全ては私の為だ。


萌もタカちゃんもいい人すぎる。私に優しすぎる。



「萌、ありがとう。でももう私は」

「あーそうそう」



萌は私の言葉を断ち切ると、今度は射るような瞳で私を見据える。



「私はエンにちゃんと『恋愛』をしてほしいって、散々言ってきてるよね?」

「う、うん……」

「なら彼氏とはちゃんと『恋愛』できるってことだよね?」



先程とは打って変わって、刺すように強い口調。



「エンは情でキスやエッチができる、器用な人間なんだよね?」

「……それ、は……」



言い訳に包み、必死に逃してきた現実を容赦なく突きつけられた。

返す言葉を探す喉には、ワインの味が苦く染みる。

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