俺様紳士の恋愛レッスン
翌日、迎えた水曜日の朝。



「じゃあ、いってきます」

「いってらっしゃい、エンちゃん」



エビ反りの寝ぐせを蓄えたタカちゃんは、いつも通りに私を送り出してくれる。

恋人関係が解消してもギクシャクしないでいられるのは、タカちゃんのこの笑顔のお陰かもしれない。


まもなく訪れる本当の別れに、寂しさから後ろ髪を引かれているのは事実だ。

けれど薄情な私は、それどころではないと、先程から数時間後の未来ばかりを考えている。



「今日も雨かなー……」



分厚い曇天が太陽を隠すから、朝だというのにちっともスッキリしない。

せめて青空が迎えてくれたのなら、少しは心持ちも変わっていたかもしれないのに。


こうして駅へ向かっている今でさえ、やはり休んでしまおうかと臆病な私が囁きかける。

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